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20​​​​​​20年 第3四半期 日本オフィス「マーケットビート」レポート発行

29/10/2020

グローバル不動産総合サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町)は、2020年第3四半期不動産市場レポート「日本オフィス・マーケットビート」を発行しました。このレポートは、四半期ごとに市場のパターンを分析しながら、来期の市場パフォーマンスを予測しています。主な調査結果は次の通りです。

景気悪化は下げ止まりも雇用所得環境が圧迫

2020年4-6月期の実質GDP改定値は前期比7.9%減(年率28.1%減)となり、速報値の前期比7.8%減(年率27.8%減)から下方修正された。4-6月期は感染拡大を防止する為意図的な経済停止を余儀なくされ、戦後最も低い成長率を示した。7-9月は世界各国で移動制限が緩和され、個人消費及び輸出の反動増や公共投資がプラスに寄与する事で、3期連続のマイナス成長からは一旦抜け出せそうだ。「EPSフォーキャスト調査」によると7-9月期成長率の予測平均は前期比3.36%(年率14.15%)と大幅なプラス成長が見込まれている。ただ、感染拡大防止策が実施されるなか経済活動の再開は限定的であり、コロナ前の水準まで回復するには相当な時間を要する。雇用所得環境は悪化傾向にあり、個人消費を圧迫する可能性がある。失業率は8月時点で3.0%と3年3か月ぶりに3%台に達した。給与総額も同時点で前年同期比5か月連続の減少、賞与などを含む項目も夏季賞与に当たる6-7月は合算で同2.6%減少した。多くの企業で通期業績の減益が計画されるなか冬季賞与も弱含む事が見込まれ、暫く個人消費は伸び悩む事が懸念される。

契約交渉はテナント有利へ

第3四半期のグレードAオフィス募集賃料は、高賃料オフィスの空室が増加した事等により前期から0.79%上昇し38,434円となった。空室率は前期比1.35pt増の3.09%と、四半期ベースで2年3四半期ぶりに3%を上回った。既存ビルの二次空室は増加傾向にあり成約賃料は募集賃料よりも低く、その乖離は既に広がり始めている。今期は、第2四半期に停滞していた移転の商談がそのまま成約に繋がる等の動きはあったが、依然として引き合いは弱い。21年から22年のグレードAオフィスビルの新規供給は減少傾向となるものの、固定費削減及びテレワーク導入に伴う縮小移転や減床により空室の増加が見込まれている。大量供給が始まる2023年以降二次空室増加は避けられず、賃料下落トレンドは本格化する可能性がある。賃料条件に交渉の余地が広がり新規供給ビルが増加する中テナント側の選択肢は増加するものの、供給増加に需要が追い付かず移転需要の回復は時間を要する事が見込まれる。

変化するオフィスの在り方

今年の竣工のグレードAオフィスビル13棟は全て竣工し、うち10棟は満室稼働での竣工となった。コロナ前から募集活動が行われていたことにより高い成約率を示したが、2021年以降竣工のビルはいずれも未だ満室の成約には至っていない。テレワーク導入により企業はオフィスの縮小移転等で固定費を削減し、財務に余裕のある企業は削減分を成長投資へ回す傾向にある。テレワーク手当を支給し始める企業が増加するなか、ビジネスは人と会うことが基本と考える企業や、社内コミュニケーション不足、一部職種での生産性低下、緊張感の欠如等が懸念されてきており、オフィスの必要性が再認識されている。コロナ禍でオフィスの在り方は、“働く場”から“交流の場”へと変化しており、企業は快適な空間の提供に取り組んでいる。9月に竣工を迎え、スマートビルとして話題となった”ポートシティ竹芝”ではAIや最先端のIoT技術を取り入れ、混雑を作らないビルとして感染を防ぐ。他、高い天井やオープンスペースを確保する事等によりテナントが安心して交流できるオフィスビルはコロナ禍での需要が期待できる。

ー以上ー

 
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クックッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(ニューヨーク取引証券所:CWK)は、オキュパイヤーとオーナーの皆様に有意義な価値をもたら す世界有数の不動産サービス会社です。約 60 カ国 400 拠点に 53,000 人の従業員を擁しています。プロパティー・マネジメント、ファ シリティー・マネジメント、プロジェクト・マネジメント、リーシング、キャピタル・マーケッツ、鑑定評価などのコア・サービス全体で、2019 年の 売上高は 88 億ドルを記録しました。詳しくは、公式ホームページ www.cushmanwakefield.comにアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。

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