クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのデータベースを活用したこの年次調査レポートは、全世界の一等地ショッピングストリートにおける451の目抜き通りを追跡しています。第29版となる今回は、68か国の最も賃料の高いブランドストリートをランク付けしています(一国につき、一ストリート)。
世界第一位は、昨年同様ニューヨーク・五番街中心部で、賃料は変わらぬ年額3,000米ドル(坪当たり月額約100万円)でした。とはいえ、ソーホー、タイムズスクエアなどこの他のマンハッタン地域では、賃料が軒並み下落し、空室率が上昇しています。香港・コーズウェイベイ(銅鑼湾)も引き続き第二位となりましたが、賃料は年額2,725米ドル(坪当たり月額約91万)と、昨年比で5%近い下落を見せました。この背景には、中国本土からの来訪者の急減があり、多くのリテーラーが警戒感を抱いた結果と言えます。その他、上位10位までにランク付けされた市場はすべて昨年と同じで、ロンドン、ミラノ、パリ、チューリッヒ、ウィーンといった都市が代表する欧州勢が半数を占め、香港、東京、シドニー、ソウルの4都市がアジア太平洋からランクインしました。ただし、北京のワンフーチン(王府井)が第11位につけています。注目に値するのは、観光客需要の恩恵を受けたミラノ・モンテナポレオーネ通りで、年額1,433米ドル(坪当たり月額約49万円)と12.5%の伸びを見せ、同じく賃料成長を見せた第3位のロンドンに続き、パリ・シャンゼリゼ通りを抜いて第4位に前進しました。
本レポートの著者であり、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの欧州リテール・リサーチを統括する、ダレン・イェーツは次のように述べています。「リテール店舗についてはネガティブな報道が続きますが、テクノロジーや購買層の変化へ呼応するようにオンラインとリアル店舗をシームレスにつなぐオムニチャンネル化戦略を進めるイノベイティブなリテーラーにとって、総合的に質の高い購買体験を可能にするプレミアムなロケーションへの需要は依然として高いと言えます。」
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド、リテールサービスのエグゼクティブ・ディレクター須賀勲(すが・いさお)は、次のように指摘します。「世界的な大都市のハイストリートはリアル店舗の将来不安とは関係なく、その時点での勝組リテーラーにとって不可欠の出店場所であることに変わりはありません。銀座は中期的に賃料の天井感はあるものの、今後も様々なメーカー系やテック系のショールームの参入が予想されるなど、リテール市場としての魅力は引き続き高いと考えます。」
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド、リサーチのディレクター鈴木英晃(すずき・ひであき)は次のように述べています。「今後銀座・有楽町において水面下で進む再開発によって、丸ノ内、有楽町、銀座を繋ぐスムーズな人の流れが生まれてくることが予想されます。具体的には有楽町から銀座中央通りにかけてのエリアの魅力度が増すことも期待できます。」
2017年賃料世界トップ10、ならびにレポートは こちら からご覧いただけます。
尚、本世界ショッピングストリート調査の日本版、 「変わりつつあるランドスケープ PRIME RETAIL MARKETS ACROSS JAPAN」 も併せてご参照ください。
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