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メディア掲載 | 不動産経済研究所(2023年4月5日号)グレードA オフィス間でも格差が顕著に ―2022 年の総括―

19/04/2023

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの知見がメディアに掲載されました。

出典:不動産経済 Focus & Research No.1419号

 2022 年のグローバルのグレードA オフィスマーケットは、2021 年からの回復もみられたが、引き続き軟調に推移。情報通信業だけで6000人以上の雇用者数削減などの影響を受けたサンフランシスコの空室率は前年同期比4.2pp上昇の24.1% (図表1 参照) 、ニューヨーク市の雇用者数は2022 年10 月から11 月で7000人増加したにもかかわらず、マンハッタン全体の空室率も過去最高となる22.2%を記録した。


図表1:2022 年第4 四半期の都市別空室率の比較、対前年同期比

Medianews_202304

出所:クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド
※オール・グレードの表

一方、総じてアジアの都市は堅調であった。オフィスに通勤する雇用者数 がコロナ前の2019 年末から2022 年末までで8%増加に対して、グレードA オフィスの新規供給が過去5年間平均の1 割程度であったソウルの空室率は前年同期比2.8pp 低下の2.4%。

同じく新規供給が過去5年平均対比で7割程度と限定的であったシンガポールでは空室率は0.4pp 低下の4.5%。そして、東京では縮小移転や新規供給の影響により第3四半期まで空室率は上昇傾向だったが、賃料の緩やかな下落が続いたことで、第4四半期は空室面積が2021 年末から約6000 坪消化され、空室率は2021 年末とほぼ同水準の3.4%で落ち着いた。


都市別格差の要因は多々あるが、それぞれ異なる職場人口の復帰状況も関連しているとみられる。Google コミュニティモビリティレポートによると、2022 年1月1日~10 月15 日の地域別の職場人口の復帰状況( 2020 年1月3日~2 月6 日の各曜日を基準値とした職場人口の増減率) を比較すると、平均して、サンフランシスコはマイナス40%、マンハッタンはマイナス38%、ソウルはマイナス5%、シンガポールはマイナス8%程度であり、各国の主要都市別で大きな格差がみられた。東京はマイナス20%程度で推移しており、競合都市同様に、2022 年半ば以降は、感染動向にかかわらず安定して推移。各都市におけるコロナ後のオフィス回帰は節目を迎え、ハイブリッドワーク定着をそれぞれ示唆しはじめている。

ハイブリッドワークは定着へ

都心オフィスの動向を総括すると、2021 年に引き続き2022 年は賃貸面積の縮小および賃貸面積の縮小を伴う移転が数多く見られた。報道されている移転理由としては、拠点戦略と合わせ、テレワーク導入が多くを占めていた。約4万4000 坪を返却したNTT ドコモ、前年の約4000 坪の減床に続き、今期約2万3000 坪のさらなる減床を報じられたKDDI などテレワークがしやすいとされてきた情報通信業とともに、グループ会社入居ビルへの集約移転で約2万9000坪を減床させた楽天インシュアランスや、約1万5000 坪を返却したENEOS など、幅広い業種で同様の動きが見られた。また、欧米外資系企業は、ハイブリッドワークが日本よりも定着している国に所在する本社がオフィス移転などに関する決済権限を持っているケースが多く、ウクライナ紛争などを契機に日本以上に厳しいインフレにさらされた拠点も多数あるため、ハイブリッドワーク推進による賃貸面積の削減、賃料総額の削減を狙う動機がより強かったとみられる。


なお、海外では、コロナ後のハイブリッドワークに必要なインフラの構築およびオフィスレイアウト最適化がいち早く推進されている。例えば、当社の米国の主要20 都市を対象とする調査でみると、2019 年末から2022 年末の約3年間だけで従業員1 人当たりのオフィススペースで7.9%の面積がすでに削減されている。

好立地の高品質なビルに対する需要は底堅く、それ以外のビルとの格差拡大

東京のグレードAオフィスの2022 年末の成約賃料は低下傾向が続き、前年同期から1pp低下、コロナ前の2020 年第1四半期末からは9pp 低下した。しかし、好立地のグレードA に対する需要は底堅く推移している。
賃貸面積の縮小を伴う移転は前年から報道されているが、移転先のオフィスグレードや立地は必ずしも低位ではない。顕著な例として、2000年竣工の山王パークタワーから2023 年竣工予定の麻布台ヒルズ森JP タワーに移転するドイツ銀行グループは、約1万7000 坪の減床予定と報道されている。賃料負担能力の高いテナントが優秀な人材獲得競争に打ち勝つため、面積の縮小を伴っても、好立地のグレードA オフィスへ移転する件数が増加傾向にあることは興味深い。

また、既存のグレードAオフィスでも割安な賃料を設定することで空室面積を減らした物件が2022 年は増加。移転理由を調査すると、「立地の良いビルに移りたい」に加え「賃料の安いビルに移りたい」という回答が29%で同率1位、「働き方の変化に応じたワークプレイスの変更」が27%で3位、「設備グレードの高いビルに移りたい」が24%で4位となった。下位の回答でも「耐震性能の優れたビルに移りたい」「セキュリティ( 防犯) の優れたビルに移りたい」など品質に関わる回答が目立ち、好立地の高品質なビルに対する需要は底堅いことが確認できる。
このような背景から、インターネット関連のテナントが集積する渋谷エリアなどのグレードA オフィスの空室率も0%台まで回復した(図表2 参照) 。

図表2:2022 年第4 四半期時点、主なサブマーケット別、グレードA オフィスに関する指標(平均想定成約賃料順)

Medianews_20230419 

*空室率:当期末時点での空室面積を貸床面積合計で除したもの
**ネット・アブソープション=前年同期末空室面積+年間新規竣工ビル貸室総面積-当四半期末空室面積
***想定成約賃料で共益費込みの賃料総額(グロス・レント)
出所: クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド

反対に、立地面で劣る湾岸エリアでは築年の古いグレードA オフィスも多く、例えば晴海・勝どきエリアでは空室率は前年同期から4.5pp 上昇の12.6%にとなった。グレードA オフィスにおいても、好立地で質の高いビルとそれ以外との格差拡大がより意識された年となったと言えるだろう。

1 注記がない限り、全ての賃貸市場データは2022 年第4 四半期末付
2 Oxford Economics 推計、2023 年2 月末付
3 森ビル株式会社調査、2023 年1 月末付

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