オフィス以外の場所から仕事を行うことは技術的には20年程前から実現可能だった一方で、COVID-19の発生以来、中国では自宅でのテレワークが遥かに重要な意味を持つようになりました。
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが中国で2,000を超えるオフィスのオーナーとテナントを対象に実施した最近の調査によると、春節休暇以来2月下旬までに職場に戻ったと回答したのはわずか30%で、少なくとも40%の回答者は、この記事作成時点で現在もテレワークを継続していると答えています。
在宅勤務/テレワークは、中国の雇用主と従業員の双方にとってメリットがあると言えます。 テレワークの推奨は従業員にとって魅力があり、エンゲージメントを高め、士気や人材定着の点で価値をもたらすと、今回明確に認識されました。
業務でテレワークを実施する場合、以下に関連するすべての要因と課題を考慮することが重要です。
- ビジネス機能
- ワークプレイス設計
その中には、プラットフォームのガイドラインに加えて、採用すべきツールや技術も含まれます。
テレワーク:考慮すべきビジネス機能の課題を選択
出典:zdnet.com, Cushman & Wakefield Research
また、プラットフォームが稼働したら、企業はスペースのレイアウト、デザイン、およびオフィス家具についても考慮する必要があります。
テレワーク:選択されたワークプレイスのデザインコンセプト
出典: GetApp, Cushman & Wakefield Research
COVID-19がどの程度の期間にわたり主要な懸念事項であり続けるかに関わらず、中国ではテレワークを未採用の企業の多くが、従業員に何らかのテレワークや在宅勤務を可能にするビジネスプラットフォームと制度を採用すると見られます。
このクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの同じアンケート調査では、回答した中国の企業の約21%が、将来的にオフィス従業員の勤務形態を変更し、テレワークや在宅勤務のビジネスプラットフォームを採用するとしています。
中国企業:テレワークや在宅勤務のビジネスプラットフォームをオフィス従業員に採用しますか? (2020年2月)
出典: Cushman & Wakefield Office Agency, Cushman & Wakefield Research
さらに、回答した中国企業の81%は、クラウド会議関連のソフトウェアやデバイスなど、よりインテリジェントな通信ネットワーク技術のソフトウェアやデバイスを追加することを検討しています。
こうした施策を行う事で、これらの企業はオフィス従業員のテレワーク体験をより向上させ、従業員のエンゲージメントと生産性向上を目指しています。
中国企業:オフィス従業員のテレワーク体験をさらに向上させる目的で、インテリジェントな通信ネットワーク技術とデバイスを追加していきますか? (2020年2月)
出典: Cushman & Wakefield Office Agency, Cushman & Wakefield Research
最後になりますが、テレワークは企業とその従業員の両方に多くの利点をもたらしますが、実際のオフィスに完全に取って代わることはできません。ある研究では、在宅勤務では従業員の生産性向上、離職率低下、従業員1人あたりの賃料最小化が示唆されていますが、他の研究では、在宅勤務は孤立感を高め、チームの結束に不利に働き、その結果製品やサービスの革新(イノベーション)が起きにくくなる可能性も示唆されています。
実際のオフィスでは個々の従業員や仲間、部門が連携して機能するものです。さらに、自宅やリモートで業務を行う従業員にとって、物理的なオフィスは同僚やお客様との直接のコミュニケーション、会議、コラボレーションをする際に存在価値を発揮します。