クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのグローバル・チーフエコノミストであるケビン・ソープより、マクロ経済についての見解、とくに何故エコノミストはアルファベット(V型、U型、L型など)で経済回復を表現することを好むのか。なぜ今回のパンデミックは今までと違うのか。その結果不動産産業にどのような影響をもたらすのか、などについての見解を伺いました。
足元の経済状況は2020年に入り誰も想定しなかったものです。マーケットや労働環境も好調で、金利やインフレ率も安定的に推移していました。その状況は突然暗転し、今までに見たことのないような速さで広がる新たな困難に直面しました。地平線上の雷雨を眺める様に、ウイルスが猛威を振るい世界中に広まるのをただ見ているしかありませんでした。中国から欧州へ、欧州から米国へ、何が来るのかを知りながらも、ウイルスを避ける事も減少させることも、いわば無力でした。
今回の意見交換では特に以下の興味深いポイントについて議論しました:
- 将来のオフィス市場はリモートワークの浮き沈みを経験した世界でどのようになるのでしょうか。
- 企業が拠点を置くエリア、主要オフィスの動向、郊外エリアの成長性、またこれらが付随する事業においてポジティブに寄与するのかという点についての議題がありました。
- 成長の機会は豊富な床面積需要のある物流、製造、データセンター、住宅だけではなく、ディストレス資産の別用途での運用や、立地の戦略とポートフォリオ分散や個別資産の見直しも含まれます。