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C&W、「2021年 グローバル・ロジスティクス・アウトルック」を発表

25/05/2021
グローバル不動産総合サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、「2021年グローバル・ロジスティクス・アウトルック」を発表しました。本レポートでは、成長に影響を与える主要なドライバーおよび世界のリーシングの動向を分析し、業界の見通しを提示しています。

ジェイソン・トリバー(インベスター・リード、ロジスティクス&インダストリアルサービス、米国・南米)は次のように述べています。「新型コロナウイルスによるパンデミックおよび変化する消費者行動により引き起こされた前例なきディスラプションは、世界的なサプライチェーンの脆弱性を露呈させ、技術的進歩を加速させることで、物流業界の未来を再構築しました。その結果さまざまなグローバルトレンドが生まれ、業界を新たな方法で前進させています」。

アジア太平洋地域
幅広く捉えると、アジア太平洋地域のインダストリアル市場は引き続き堅調に推移しています。同地域の主要マーケット34都市のうち、15都市がオーナー優位、6都市がテナント優位、残りの13都市が中立となっています。年初以来この状況はほぼ維持されており、シンガポールのみテナント優位へと大きく変化しているものの、マーケットの一部に限定されています。これは、明確にテナント優位へシフトしている同地域のオフィス市場とは対照的です。

ドミニク・ブラウン博士(デモグラフィック・インサイトグローバル統括者、C&Wアジア太平洋地域リード)は次のように述べています。「インダストリアル市場の賃料はインドや東南アジアの主要マーケットにおいて年初から着実に上昇しており、デリー、ホーチミン、コルカタ、ジャカルタ、ハノイではいずれも2.5%以上の上昇となっています。賃料はオーストラリアではほぼ横ばいが続いていますが、中国ではECによる需要増が空室の一部を吸収したことにより2%の僅かな上昇がみられます。香港やシンガポールは、再輸出需要の減少により大きな下落圧力を受けているにもかかわらず、高額賃料リストにおいてそれぞれ2位と5位にランクインしています。ハイデラバードとアフマダーバードは他の6つのインド市場とともに低額賃料リストのトップにランクインしています」。

鶴岡一志(シニア・マネージャー、ロジスティクス・アンド・インダストリアルサービス、ジャパン)は次のように述べています。「日本では関東圏の空室がさらに低下し、流動性の低い状態が続いています。募集賃料もゆるやかな上昇傾向が続くなどオーナー寄りの市況となっています。関西圏の需給バランスは概ね均衡を示しており、募集賃料は横ばいを示しています。開発用地の価格高騰と物流立地の多様化といった傾向が散見されます。」

 

Global Logistics Outlook 2021


北アメリカ
北米のインダストリアル市場は新型コロナウイルスの世界的影響に加えて局地的な竜巻や山火事などの自然災害に見舞われたにもかかわらず成長を遂げ、これらが最も回復力のある資産の一つであることが改めて証明されました。北米の新規供給は2年連続で需要を上回り、竣工面積は3億7,800万平方フィート(1,062万坪)となりました。需要面積は2億8,700万平方フィート(807万坪)で、7年連続で2億平方フィート(562万坪)を超えています。

トリバーは次のように述べています。「新型コロナウイルスによるロックダウンにより上半期の需要は例年に比べてやや鈍化しました。しかし、これに加えて大量供給が伴ってはいても、テナントの需要を満足に満たし空室率を大きく上昇させ始めるには至っていません。2020年末にかけて北米インダストリアル市場の空室率は4.9%となり、2019年比で30ベーシスポイントの上昇にとどまりました。カナダの空室率は2.5%と最低を記録し、メキシコシティは3.0%と続いています。」

欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)
リサ・グラハム(EMEAインダストリアル・リサーチ統括者)は次のように述べています。「欧州の物流セクターは、開発可能な土地不足と厳しい計画制度に起因する供給の制約に直面しています。世界金融危機(GFC)以前は投機的な開発が新規建設の約80%を占めていましたが、GFC以降はビルド・トゥ・スーツ(BTS)型の開発が主流となり、これにより欧州のコア物流市場のほとんどにおいて深刻な供給不足に陥っています。ロックダウン解除後に投機的建設が再開されより多くの商品が市場に出回るようになり、滞留していた需要が解放されリーシング活動が加速しました。」

2020年末のデータでは、ヨーロッパの主要物流拠点の多くにおいて空室率は引き続き減少傾向にあります。オランダと英国では約4%、ロッテルダム、リヨン、プラハ、ブダペストでは約2%の空室率と深刻なストック不足を示しており、投機的な建設計画が増加しているとは言え状況は改善されていません。さらに、eコマース事業者や3PL事業者による物流拠点の拡大に伴う需要の増加が2020年のテナント倒産でもたらされた空室を相殺しています。

ブラウン博士
は次のように述べています。「世界の物流セクターは、上半期の厳しいロックダウンの中で回復力を見せただけでなく、下半期には消費者や企業のパンデミックへの対応からも恩恵を受けました。地域的にも商品的にも拡大するeコマースは今後10年間の新規需要を牽引するでしょう。ポストコロナの世界では、不動産の活用によるサプライチェーン全体のコスト活用が重視され、それによりB2Cビジネスモデル、リショアリング、在庫管理、輸送やESGを推進する事業のより良い位置づけが可能となるでしょう。そしてこれらの要素が今後の立地戦略の決め手となっていくでしょう。」  

 

レポートをダウンロード

 

 

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の不動産サービス会社です。約60カ国400拠点に50,000人の従業員を擁しています。売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2020年の売上高は78億ドルを記録しました。詳しくは、公式ホームページwww.cushmanwakefield.com にアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。


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