メディア掲載
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの知見がメディアに掲載されました。
「物流賃料最高額は英ロンドン、2位香港
―C&W、世界の物流不動産需給を調査」
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は世界における20年第4四半期(4Q)の物流不動産の需給調査結果をまとめた。北米の複数都市で大量供給を背景に需給が緩みつつある一方、アジア太平洋(APAC)や欧州などでは貸し手優位の傾向が強い。都市別賃料の最高額は英ロンドン(月額坪当たり賃料8000円)で、2位は香港(6440円)、3位は米サンフランシスコ・ペニンシュラ(5900円)の順。アジアでは10位以内にシンガポール(5位、5390円)と東京(6位、4750円)が入った。
C&Wが公表した「グローバル・ロジスティクス・アウトルック」では20年4Q時点の空室率や賃料などを下地に物流施設の需給を分析した。APACでは1月以降、主要34都市のうち15都市が貸し手優位、6都市が借り手優位で残る13都市は中立だという。具体的には、香港とシンガポールでは再輸出の需要が鈍いが賃料は高位を保った。ただ19年から20年にかけて香港の賃料は10%落ちた。デリーやホーチミン、ジャカルタ、ハノイなどの賃料は上昇幅が2・5%を超えたという。東京の賃料は横ばいだった。一方、賃料が最も低い都市はハイデラバード(インド、790円)で、6位までインドとトルコの都市が並んでいる。
北米では複数の都市で施設の供給が増加基調だ。昨年の竣工総面積は1062万坪だったのに対し需要は807万坪と需給に大きな差がある。欧州では施設の供給が減り空室率が下がる傾向で、リヨンやプラハ、ブダペストの空室率は約2%と「深刻なストック不足」(同社)だ。日本では関東圏で需給がひっ迫し賃料も上昇しているが、関西圏の需給は釣り合っている。
出典:「日刊不動産経済通信」 2021年5月28日号 株式会社不動産経済研究所