グローバル不動産総合サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)・パンデミックが世界の賃貸住宅市場に与える影響について、賃貸市場の回復ランキングや投資推奨などの新しい調査結果、「グローバル・レジデンシャル・インパクト・スタディ」を発表しました。
本レポートでは、今後数年間における、パンデミック前と比較した賃貸住宅市場の需要回復のスピードを決定づける5つの要因を特定し、それぞれの市場要因に照らし合わせてグローバルなゲートウェイ市場を分析しています。それらの市場要因には、世代交代、優位市場と競合市場との比較、持ち家転換リスク、COVID-19による影響の深刻度合と対応、移民への市場成長依存度が挙げられます。
デービッド・ビットナー(C&W キャピタルマーケッツ・インサイト責任者)は次のように述べています。「パンデミックの影響で世界の都市中心部の伝統的な優位性が失われ、住宅需要がパンデミック以前のレベルに戻るかどうか疑問視されています。本調査では、世界のゲートウェイとなる27の市場を調査し、これらの要因が集合住宅1市場にどのような影響を与えたかを評価しました。次に、その要因を組み合わせて各都市の「リバウンドランキング」スコアを算出しました。」
ソース:クッシュマン・アンド・ウエイクフィールド
各市場は本レポートで取り上げている8つの市場パフォーマンス要因2について、5つの段階で評価されました。評価が高いほど、今後3年から5年の間に、賃貸市場のファンダメンタルズや投資がパンデミック前のトレンドに比べて回復するための条件が整っていることを示しています(表参照)。
トップ10に入ったのは欧州市場が最も多く、次に米国市場でした。アジア太平洋地域では東京とシンガポールがリバウンドの可能性でトップ10に入りました。上位の市場は資本市場の流動性と賃貸住宅の人口動態において特に高い評価を得ており、持ち家転換や新規賃貸供給の脅威が比較的低い傾向にあります。
ドミニク・ブラウン博士(C&W アジア太平洋地域 ヘッド・オブ・インサイト&アナリシス)は次のようにのべています。「アジア太平洋地域の多くの地域では、機関投資家向けのマルチファミリー(賃貸集合住宅)市場は比較的未成熟です。今後、この分野は急速に拡大していくと思われます。これは供給が拡大しており、人口動態が良好なオーストラリアの市場や急成長している中国のティア1市場に特に当てはまります。」
鈴木英晃博士(C&W、ヘッド・オブ・リサーチ&コンサルティング)は次の通り分析しています。「日本はアジア太平洋地域において最も成熟したマルチファミリー市場として認識をされており、特に近年では海外投資家の購入が進んでいます。経済動向に左右されづらいディフェンシブアセットとして引き続き人気を維持していくことが見込まれます。」
より詳細な情報をご覧になるには、C&Wの「グローバル・レジデンシャル・インパクト・スタディ」をダウンロードください。
2 8つの市場パフォーマンスドライバーとは:
• 供給シフト - 市場に入ると予想される新規供給量。(供給量が少ないほど有利)
• 世代交代 - 都市の人口構造における賃貸物件への好感度。(18~35歳の人口比率が高いほど好ましい)
• 市場の優位性 - 国内の他都市との競争の度合い。(競争率が低いほど好ましい)
• 持ち家への転換リスク – 賃貸と持ち家の住人割合。(賃貸の割合が高いほど好ましい)
• COVID-19からの回復 – COVID-19を封じ込め、住民にワクチンを接種する能力。(死亡者数の減少とワクチン接種の迅速化による回復が早いほど好ましい)
• 国際的な移民への依存度 - 国際的な移民による住宅需要の程度。(移民への依存度が低いほど好ましい)
• 資本市場の流動性 – 集合住宅資産への投資量。(投資額が多ければ多いほど好ましい)
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の不動産サービス会社です。約60カ国400拠点に50,000人の従業員を擁しています。売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2020年の売上高は78億ドルを記録しました。詳しくは、公式ホームページwww.cushmanwakefield.com にアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。