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世界データセンター市場レポート2024年版 世界データセンター市場レポート2024年版

レポート

世界データセンター市場レポート2024年度版

世界の主要および新興の92のデータセンター市場を対象に独自の手法に基づく14クライテリアで採点した最新の分析結果をご覧ください。

 
2022 Data Centers

市場全体で記録的にデータ需要が拡大し、世界の主要市場の多くで 空室率が極端に減少しました。クラウド・プロバイダーからの需要がキャパシティの多くを吸収してしまっているため、4MWをはるかに下回る小規模なリース物件しか通常の市場には出回っていません。プレリース(竣工前の内定)もますます一般的になり、多くの市場で供給予定(開発計画)の70%以上が内定済です。これほど空室面積が少ないと、需給が逼迫し、開発計画の規模も新たな高みへと押し上げられています。

 

規模が大きな市場ほど、データセンター開発の計画、承認、建設、電力供給に関して、地方自治体や電力会社との協業体制が確立されている傾向にあります。当該指標は、市場の相対的なリスクプロファイルの一要素となりますが、市場規模が大きければ大きいほどリスクは小さくなり、より小さな新興市場はリスクが高くなります。また、市場規模が大きいほど、現場スタッフや営業チームなど、将来の開発をサポートする人的資本が整っている傾向が強くなります。このように、最大規模の市場であれば、少なくとも現地の送電網の容量が逼迫したり、政治的な要請が大きく変化しない限りは、継続的な成長が見込めると位置づけられます。

データセンターの運営費用で重要なのは、現地の電力費といえます。利用可能なエネルギー源、インフラ、政府の政策支援によって、電力費は市場によって大きく異なります。ますます大規模な電力の利用が一般的になるにつれ、電力費と利用可能な電力の規模は、データセンター開発者にとって非常に重要な要素となりました。昨年に引き続き、インフレと需要が高まったことから、電力費は多くの市場で前年比約15%30%上昇しました。電力費だけが、2023年に深刻になった電力不足の問題を網羅しているわけではないものの、市場間の比較には有用となるといえるでしょう。

地域別ハイライト

アメリカ州

この1年間で、新しい発電所を供給するまでのリードタイムが必要とされるのは、バージニア州だけにとどまらなくなっています。フェニックス、アトランタ、ダラス、さらにはコロンバスなど、過去数年間にデータセンターの拡張が急速に進んだ市場でも、同様の電力不足が生じつつあります。こうした市場が可能な限りの範囲で開発を続ける一方、データセンター事業者は、シャーロット、ソルトレイクシティ、カンザスシティ、インディアナポリス、ミネアポリス、ナッシュビル、アイオワなどの追随する市場にも焦点を広げています。これらの市場やその他のより小規模な市場には、大規模な用地の取得などについてはほぼ手つかずの状態でした。主要市場で必要な電力が供給されるまでのリードタイムが延びているなか、北米は人工知能がデータセンター開発の拠点戦略をどのように変化させるかの実験場ともなっています。AIモデルのトレーニング用のデータセンターの設計であれば、データ遅延への依存度が低いため、より小規模で辺鄙な立地条件であっても大規模な開発が行われています。しかし、大規模な開発計画の一部は、依然として5大市場にとどまっており、ハイパースケーはクラウドが集積する都市のカバレッジをさらに強化し、クラウドサービスとAIが統合するための基盤を構築しつつあります。

成熟した市場 新興市場
01/  バージニア 01/  カンザスシティ
02/  アトランタ 02/  ナッシュビル
03/  ダラス 03/  アイオワ
04/  フェニックス 04/  ミネアポリス
05/  オレゴン 05/  オースティン
06/  ノース/サウスカロライナ 06/  ケレタロ
07/  シカゴ 07/  ソルトレイクシティ
08/  コロンバス 08/  インディアナ
09/  トロント 09/  サンティアゴ
10/  SFベイエリア 10/  デンバー
01/  Virginia
02/  Atlanta
02/  Dallas
04/  Phoenix
05/  Oregon
06/  North / South Carolina
07/  Chicago
08/  Columbus
09/  Toronto
10/  SF Bay Area
01/  Kansas City
02/  Nashville
03/  Iowa
04/  Minneapolis
05/  Austin
06/  Queretaro
07/  Salt Lake City
08/  Indiana
09/  Santiago
10/  Denver

APAC

アジア太平洋地域は、各国の成長に支えられ、昨年1年間でIT負荷容量の総計が10GWを超えました。同地域の最大市場は大幅な成長を続け、ムンバイとジャカルタなどは開発計画の増加に伴い順位を上げました。より成熟した市場であるシンガポール、北京、上海、香港、シドニー、東京などは、利用可能な土地や電力が逼迫しているにもかかわらず拡大を続けました。ハイパースケーラーが各地域で存在感を増すにつれ、バンコク、ジョホール、ハイデラバード、ホーチミン、マニラといった新興市場での取引も活発化しはじめているものの、稼働容量のほぼ80%は、地域上位5市場となる中国本土(3.9GW)、日本(1.3GW)、オーストラリア(1.2GW)、インド(1.1GW)、シンガポール(962MW)に集中している。2023年下半期内に、インドが中国本土、日本、オーストラリアに加わり、1GWを超える規模の市場となる見通しです。現在962MWが稼動しているシンガポールも、2024年内には1GWを超える見通しです。

成熟した市場 新興市場
01/  東京 01/  大阪
02/  ムンバイ 02/  チェンナイ
03/  シドニー 03/  ハイデラバード
04/  北京 04/  バンコク
05/  ジャカルタ 05/  デリーNCR
06/  シンガポール 06/  台北
07/  ジョホール 07/  広州
08/  クアラルンプール 08/  バタム
09/  上海 09/  マニラ
10/  香港 10/  プネ
01/  Tokyo
02/  Mumbai
02/  Sydney
04/  Beijing
05/  Jakarta
06/  Singapore
07/  Johor
08/  Kuala Lumpur
09/  Shanghai
10/  Hong Kong
01/  Osaka
02/  Chennai
03/  Hyderabad
04/  Bangkok
05/  Delhi NCR
06/  Taipei
07/  Guangzhou
08/  Batam
09/  Manila
10/  Pune

EMEA(欧州・中東・アフリカ地域)

EMEAの主要都市であるフランクフルト、ロンドン、アムステルダム、パリ、ダブリン(FLAP-D)では、電力供給不足、電力価格の高騰、サステナビリティに関する規制などの逆風にもかかわらず、市場拡大が続きました。マドリード、ミラノ、ストックホルム、コペンハーゲン、オスロ、ワルシャワといった追随する市場も、戦略的立地条件、特定の国や地域データの法的主権、接続性、需要の高まりといった要因から、事業者や投資家のさらなる関心を集めています。北欧諸国、特にデンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンは、計り知れない潜在力を秘めているものの、地域内データセンター開発計画の12%に寄与していることから、将来の投資先として高い可能性を示しています。

ほか、サウジアラビアのリヤドと南アフリカのヨハネスブルグは、戦略的な立地条件、信頼性の高い接続性、国内および地域でクラウド導入が進んでいることから、重要な投資先として着実に浮上してきました。


世界トップクラスのハイパースケール・クラウドサービスプロバイダー(CSP)は、ブリュッセル、ワルシャワ、サラゴサ、コペンハーゲンなどの二次的市場に既に参入しており、建設中の容量は50メガワットを超えています。こうしたCSPの存在から、大手データセンター事業者、デベロッパー、投資家からの関心が引き寄せられる可能性が高まっています。

成熟した市場 新興市場
01/  ロンドン 01/  ミラノ
02/  マドリード 02/  チューリッヒ
03/  パリ 03/  コペンハーゲン
04/  フランクフルト 04/  ワルシャワ
05/  アムステルダム 05/  リヤド
06/  ダブリン 06/  サラゴサ
07/  オスロ 07/  リヤド
08/  ブリュッセル 08/  アテネ
09/  ストックホルム 09/  ラゴス
10/  ヨハネスブルグ 10/  ダンマーム
01/  London
02/  Madrid
02/  Paris
04/  Frankfurt
05/  Amsterdam
06/  Dublin
07/  Oslo
08/  Brussels
09/  Stockholm
10/  Johannesburg
01/  Milan
02/  Zurich
03/  Copenhagen
04/  Warsaw
05/  Riyadh
06/  Zaragoza
07/  Riyadh
08/  Athens
09/  Lagos
10/  Dammam

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