

レポート
世界データセンター市場レポート2023年版
2023年度レポートには一部変更点やアップデートが含まれています。当該評価システムの目的とは、データセンター市場がどのように実務上機能しているかを正しく反映させ、データセンターの投資家、所有者、運営業者、およびテナントがどのような要素を重視しているかを明らかにすることにあります。また、2023年度レポートでは、南アジア、東南アジア、南米、北米、地中海の8つの市場を新たに調査対象に加えました。
ランキングにおける評価指標
「2023年版グローバル・データセンター市場比較」では、過去2年間のレポートと同じ要素に基づいて検証しています。都市別にデータセンターの集積を以下の13の重点カテゴリーで採点し、総合的な市場スコアを算出しました。評価方法の詳細(和訳)については2022年度版をご参照ください。

ウェビナー リプレイ
2023年3月8日(水)、各地域のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのデータセンター専門家が集まり、本レポートについて議論し、最も興味深いデータセンター市場の主要因について議論致しました。
本セミナーは世界各地の時間帯別に、2つのセッションで開催されております。


SESSION 1
上の再生ボタンをクリックすると、リプレイを見ることができます


クラウドサービスの可用性は、テナントだけでなく、デベロッパーや投資家が新しい市場に戦略的関心を持つための決定要素となっています。主要なクラウドサービスの存在は、将来の需要が拡張することを保証するものであると同時に、相応の市場ファンダメンタルズを裏付けるものでもあります。本レポートで取り上げた63の市場のうち、34の市場では米国の3大クラウドサービス業者が何らかの形で進出しており、いくつかの地域ではさらなる拡大が計画され、すでに用地取得も終了しています。
データセンターの運営費に欠かせないのが、地域の電力コストです。利用可能なエネルギー源、インフラ、政府の政策によって、電力コストは市場によって大きく異なる可能性があります。大規模化が進むにつれ、電力コストとその利用可能性は、データセンター開発者にとって極めて重要な要素となっています。過去1年間、多くの市場でエネルギー価格が大幅に上昇したため、この問題はフィジビリティ分析で大いに議論されるようになりました。インフレ、サプライチェーンの問題、地政学的な危機など、すべてが最終消費者の電力コスト上昇に寄与しています。電力コストは、2022年に発生した電力供給の問題をすべて網羅しているわけではありませんが、市場比較のための有用な指標となります。
Regional Highlights
AMERICAS
2022年、北米の中核市場では、電力と用地の供給が限界を迎えつつある兆しが表れはじました。世界最大のデータセンター市場であるバージニア北部では、電力会社がかつてない膨大な開発計画に対応するため、一部の地区を対象に数年にわたる開発一時停止に見舞われました。その結果、事業者はより手頃な価格の電力でより広い敷地を求めて、ポートランド、フェニックス、コロンバス、カナダなどの二次市場へ関心を広げつつあります。バージニア北部、シリコンバレー、シカゴ、ダラス、アトランタなどの中核市場でも、開発のペースはまだまだ勢いは衰えておらず、用地と電力源が確保しやすい未開拓の地区に注目が集まっています。
01/ Northern Virginia* | 06/ Dallas |
Portland* | 07/ Phoenix |
03/ Atlanta* | 08/ Seattle |
Chicago* | 09/ Toronto |
San Francisco Bay Area* | 10/ Montreal |
*ランキング タイ
APAC
アジア太平洋地域の中核市場は、用地不足、電力供給不足、規制強化などの逆風にもかかわらず、2022年も引き続き成長を遂げました。ランキング・トップのシンガポールは開発モラトリアム(一時停止措置)を解除し、新たな政策と評価指標を導入しました。このため、新たな規制要件を満たす経験豊富な開発業者が再度の市場参入が可能になりました。もう一つの重要なトレンドは、地域全域で小規模な新興データセンター市場に対する関心が高まりつつあることです。タイのバンコク、マレーシアのジョホール、インドのハイデラバード、ベトナムのホーチミン、フィリピンのマニラなどの都市は、2023年度の注目すべき市場としてリストに追加されています。
01/ Singapore | 06/ Beijing |
02/ Hong Kong | 07/ Mumbai |
03/ Sydney* | 08/ Shanghai |
Seoul* | 09/ Melbourne |
05/ Tokyo | 10/ Kuala Lumpur |
*ランキング タイ
EMEA
一部のFLAP-D市場には開発上の逆風が続いていますが、これらの市場はすべて、この地域の上位に位置し続けています。セカンダリー市場の成長はこの1年の特徴のひとつで、マドリード、ミラノ、チューリッヒ、ベルリン、ワルシャワ、オスロ、ノルウェー、バルセロナなどの市場で関心が高まっている。アムステルダム、フランクフルト、ダブリンなどの市場では、地域の電力網や土地への圧力を軽減すると同時に、持続可能な開発を奨励することを目的とした公式な規制が制定され、政治的逆風の大きさも明らかになった。この地域の開発活動は全体的に成長を続けており、規模の大小を問わず、目の肥えた投資家には機会が残されています。
01/ Amsterdam | 06/ London |
02/ Paris | 07/ Frankfurt |
03/ Zurich | 08/ Stockholm* |
04/ Madrid* | Oslo* |
Dublin* | 10/ Berlin |
*ランキング タイ
Want more information about data centers?
Related Insights

Research
EMEA Data Centre Market Update

Research
Americas Data Center Update: October 2023

Research
A new trinity for measuring data centre sustainability

Instant Insight: Data Center Success Leads to Sustainability Questions