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羽田:空港から空港都市へ

1/09/2020

2012年12月の第二次安倍政権発足以降、インバウンド需要は堅調に推移していたものの、コロナ感染拡大により自粛要請や各国の出入国規制が強化され、2020年1月の266万人をピークに同年4月以降前年同月比マイナス99%台で推移しておりインバウンド需要はほぼ消滅状態といえます。インバウンド需要拡大に向けた計画は、コロナ禍での減便を余儀なくされ航空業界は難局に直面しています。IATA(国際航空運送協会)は世界の航空需要が、コロナ前の水準まで回復するのは2024年になるとの見通しを示しています。需要回復時にこの難局を航空会社が乗り切れた場合、ルート見直しにより発着枠は増加している為コロナ前を上回るインバウンド需要が期待できるでしょう。

羽田空港は国内初の国営民間航空専用空港でしたが、1978年に成田空港開港後台湾の中華航空(CI)を除く国際線が全て成田へ移転し羽田空港は国内線としての役割を担いました。その後東京国際空港再拡張事業により2010年国際線ターミナルを開業し、国際空港として新たなスタートを切りました。

羽田空港はオリンピック開催に向け、滑走路の運用と飛行経路を見直すことで2020年3月29日より国際線を1日あたり50便増枠、発着回数年間39,000回までを可能としました。新型コロナウイルスの流行が無ければ羽田空港の国際旅客数は年間705万人増加を見込んでいました。この計画と同時に羽田空港周辺エリアでは再開発が進められており、空港の「都市化」が期待されています。

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未来に向けて羽ばたくまちづくり

羽田空港跡地では、京浜急行線天空橋駅に直結する「第1ゾーン」及び羽田空港第3ターミナルに直結する「第2ゾーン」の再開発が進められています。2020年2月10日、大田区、国土交通省、羽田みらい開発(鹿島建設、大和ハウス工業、京浜急行鉄道、日本空港ビルディング、空港施設、東日本旅客鉄道、東京モノレール、野村不動産パートナーズ、富士フィルム)、羽田エアポート都市開発(住友不動産・東京国際空港プロジェクトチーム)により上記再開発エリアは「HANEDA GLOBAL WINGS(ハネダ・グローバル・ウイングス)」と改称され、空の玄関口である羽田空港周辺のまちづくりが推進されています。

 

1ゾーン計画:羽田イノベーションシティ

羽田みらい開発が事業主体となって開発している大規模複合施設「羽田イノベーションシティ(HICity)」が2020年7月3日にオープンし、施設やテナントは順次営業を開始しており、TBSドラマ「半沢直樹」ロケ地としても使用されました。9月18日オープニングイベントが開催され、先行開業エリアが本格稼働しました。医療、モビリティ、ロボティクス分野の研究開発施設(ラボ・オフィス)や水素ステーション等を中心とした「先端産業」、食、アート、音楽等による「文化産業」を誘致し、バランスよく配置することで新たな価値創造を実現します。

先端医療では、臨床機能と再生医療が連携できる環境を整え、長期滞在が可能な施設も整備される予定です。先端モビリティでは自動運転の開発拠点やテストコースを整備する他、自律走行バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」(仏Navya社製)の国内初となる定常運転が開始されました。ロボティクスでは研究企業等を誘致し大田区施設活用スペースで産業交流の促進を図る他、ロボットの展示、実演や試乗等も行っており新技術をより身近に感じられる環境を設けています。

文化産業では日本の食文化を楽しめる飲食モールや、最大約3,000人を収容できる多目的なイベントホール、アートとテクノロジーを融合した施設や、伝統文化における体験スペース等も整備しており、羽田空港を発着する旅客にとっての魅力も兼ね備えています。交通網はバス、舟運、カーシェアリング等を今後導入していく事により都内各所や空港周辺とのアクセスを大幅に強化していく事が見込まれます。 

 

2ゾーン計画:羽田エアポートガーデン

羽田再開発の第2ゾーン「羽田エアポートガーデン」は住友不動産が代表企業を務める羽田エアポート都市開発による日本最大空港直結ホテル複合開発が行われています。敷地面積は約4.3ヘクタール、延べ床面積は約91,000平方メートル。宿泊施設、商業施設、イベントホール、バスターミナルからなる複合施設は2020年春の開業を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大による状況を受けて延期され、現在開業時期は未定となっています。

ホテルは住友不動産最上級ブランドホテル「ホテル ヴィラフォンテーヌ プレミア 羽田空港」全160室及び同社ハイグレードホテル「ホテル ヴィラフォンテーヌ グランド 羽田空港」全1557室、計1717室の日本最大の空港直結ホテルとなります。また計5つのレストラン・バーの他、大田区は東京23区で銭湯や温泉の現存数一位を誇り、ホテル最上階には5種の内湯及び3種の露天風呂が楽しめる約2,000㎡の大型天然温泉施設が完備されています。

ホテルと空港を結ぶ商業ゾーンには日本の名品が並び、70以上の販売店及び飲食店が揃っています。1000㎡を超えるMICE対応の大型イベントホールや10室からなる会議室の他、二層吹き抜けの大空間「グランドホワイエ」では文化体験などのイベントが実施される予定です。日本全国を結ぶホテル直結の大型バスターミナルは発着スペースを15バース設け、開業後段階的に整備され将来的には一日800便が発着する予定です。

旅行者にとって利便性の高い多様な施設が整備される事で、より快適な旅の実現となるでしょう。


羽田を結ぶ川崎市

羽田空港跡地再開発に伴う橋の建設により羽田エアポートガーデン付近と川崎市殿町繋がります。羽田空港から橋の先はキングスカイフロントが位置しており、同エリアは2008年以降空港とのアクセス向上を視野にライフサイエンス・環境分野を中心とした研究開発拠点として、工業都市から研究開発都市への転換を目指してきました。


キングスカイフロント

キングスカイフロント(40ヘクタール)が位置する殿町3丁目はもともといすゞ自動車川崎工場が大半を占め、残りを三愛石油のLPガスターミナルが占めていましたが、2004年いすゞ川崎工場の撤退に伴い西側を都市再生機構、東側をヨドバシカメラに売却しました。2011年3月に同地区は「キングスカイフロント」と命名され、同年12月に「国際戦略総合特区」に指定されました。

2011年に実験動物中央研究所、2014年にジョンソンエンドジョンソン東京サイエンスセンター、ANA殿町ビジネスセンター、2015年にナノ医療イノベーションセンター、2017年に国立医薬品食品衛生研究所、ペプチドリーム等2019年4月時点で67機関が進出し、就労人数は約4,700人となりました。

キングスカイフロント内にある殿町A地区(4.6ヘクタール)は大和ハウス工業株式会社と株式会社東急ホテルズが市と協力して手掛けています。一次開発として2018年6月に東急REIホテルと研究棟2棟の運営を開始しました。二次開発(2.6ヘクタール)は延べ床面積40,000平方メートルの研究棟3棟を建設し21年度の完成を目指します。

一次開発でオープンした「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」では、レストランカフェ以外にもビジネスラウンジ、ラウフスタイルストア、エクササイズルーム、大浴場等を併設し、「The Warehouse(ザ ウェアハウス)」による「遊び」「学び」等のコンテンツと融合した「宿泊」だけではない体験を提供しています。現在研究開発がメインのキングスカイフロントですが、橋の開通により羽田空港からのアクセスが改善され、リバーサイドとしての観光面でも成長が期待さ

れます。現時点ではキングスカイフロントから川崎駅周辺へのアクセスは良好とは言えませんが、川崎駅へのアクセスが改善されれば、より川崎市への流動性は高まり観光地としての知名度向上にも繋がるでしょう。

 

羽田連絡道路

羽田連絡道路は、羽田エアポートガーデン付近と川崎市殿町キングスカイフロントを橋梁にて結ぶ計画です。2017年10月に着工し東京五輪が開催される2020年7月迄の開通を目指していましたが、河口部の土砂堆積が想定していた量の約2倍だったことや、地盤が硬かった事による橋脚打設の施工効率低下に加え、台風の影響による作業中断等で2022年3月末の完成を予定しています。 


羽田連絡道路開通により羽田空港周辺は、イノベーション拠点として更なる価値向上が期待できます。


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