第2四半期の実質GDP、戦後最大の年率27.8%減
2020年第2四半期の実質GDPは年換算率 -27.8%(1次速報、以下同様)となり、リーマンショックの -17.9%を超え、戦後最大の落ち込みを記録した。緊急事態宣言が4月から5月にかけて発令され、臨時休業の店舗が多い中、個人消費は28.9%減少し、3四半期連続の縮小になりました。また、世界中の経済も打撃を受け、訪日外客も3ヶ月連続前年同月比99.9%減のこともあり、日本の輸出は年換算率 -56.0%と急減した。多くの経済活動が6月に再開しましたが、第2波の収束が見えない中、第3四半期の経済が懸念される。
投資不動産取引量は前年同期比11.0%減少も、大型ポートフォリオ取引が下支え
2020年第2四半期の不動産総取引量(5億未満の取引を除く、速報値)は、13,246億円となった。経済停滞が続く中、外資系投資家による複数の大型レジデンシャル・ポートフォリオが取引された。海外資金の量は2020年上半期の時点で、既に2018年全体の水準を超えたことから、海外資金による日本市場への投資意欲の強さが確認された。これら大型取引によりレジデンシャルの投資額は前年同期比190.0%上昇を記録し、全体の31.9%を締めた。住宅や物流等ローリスクアセットは今後も好調が続くとみられる。一方、オフィス、リテール物件及びホテルの取引量も大幅に下落し、前年同期比 -42.2%、58.7%及び -57.2%になった。購入者別でみると、前年同期比でJ-REITが -46.7%、非上場投資家が -74.7%、上場不動産会社が -34.8%と急減した一方で、機関投資家が157.4%増となり、全体取引額の47.6%を占めた。
プライムオフィスの資産価格が微減、日銀短観の業況判断指数はリーマン以来の低水準
統計上、オフィス市場に大きな変化は未だ見られていないものの、2020年第2四半期のC&Wプライムオフィス資産価格指数(都心5区)は前期比-0.9%とわずかな下落を記録。テレワークに伴う中小型オフィス需要の後退は確実で、空室率増加が懸念されており、オフィス資産の利益確定売りも予想される。さらに同4半期日銀短観の業況判断指数は全企業で製造業が -31、非製造業が -36とリーマン以来、11年ぶりの低水準まで下落した。不動産へ融資環境は厳しい状況とはなっていないものの金融機関はセクターと資産選別の色を強めている。不動産向け貸出態度は前四半期より落ちたため全企業の指数が12となり、2014年以来の水準である。
